解体して新築する? リノベーションする?
その判断基準は?

↑一生懸命、ありとあらゆるところを計測しています。

一棟まるごとリノベーションの現場です。
建物の間取りを変更し、設備も更新します。見た目だけきれいにリフォームするのではなく、建物の用途も変更します。

比較的建築年が浅い建物で、以前の所有者様がとてもきれいに使われていたよで、耐震性や経年劣化も心配なく、とても状態の良い建物です。

お施主様は当初、建物付きの土地を購入したので、その建物を解体して、新しく建物を建て直す予定で弊社に相談に来られました。

しかし、最終的には今ある建物を再利用することになりました。
もちろん、建て替えと比べるとかなりの節約になります。
建物の状態が良いのでお施主様はとてもラッキーです。

中古住宅を購入し、自分好みにリフォームして住むという方法が流行っていますし、弊社においてもそういう相談が増えました。

また、国の施策としても、中古住宅を再び流通に乗せるためのいろいろなルールや資格を整備しています。

↑やっぱり建て替えたら良かったと言われないようにしないとね。笑

しかし、安くつくからと言ってどんな中古物件でも良いわけではありません。
安いものには安いなりの理由があるのが世の中の道理というものです。

私たち設計事務所の人間が中古の建物が再利用に値するかどうかを判断するポイントがあります。

建築年 :1981年(昭和56年)以前以降のどちらに建築されたものか。
     2001年(平成12年)以前以降のどちらに建築されたものか。

申請  :建築当時、建築確認申請を行っているか。
     建築当時、建築完了検査を受検しているか。

増築改修:新築時から今までに違法な増築改修等を行っていないか。

道路  :前面道路は公衆用道路で幅員4m以上確保されているか。

下水道 :公共下水が整備されているか。
     されていない場合、排水経路は確保されているか。


都市計画:特殊な地区計画内や区域ではないか。

これらを事前にチェックしてから、実際に現場に行き、建物の状態を確認します。
現場に行って確認するまでもない・・・、と机上のチェックではねられる物件が多くあります。
上の全ての条件がクリアできていなくても、それぞれ対応方法もあるのですが、クリアされている場合に比べて費用も期間もかかりまし、思ったようにリフォームできないこともあります。
気をつけて下さい。

今回、お施主様が相談に来られたとき、
この建物はすべてクリアできている可能性があるぞ、なかなか珍しいな、優良物件じゃん。どうして解体したいのかな?
と疑問に思って何気なくお施主様に聞いてみたら、解体する前提で不動産屋さん等とも話が進んでいたのでそうするものだと思っていた、とのことでした。

そこで、もう少しこの建物について調査してみるから、再利用するか解体するかはそれから決めませんか、どうせ解体するつもりだったのなら。と提案し、
結果この建物は解体されず、無事存続することが決まりました。
そしてお施主様は安くはない費用を節約することができました。
知識は荷物になりません。

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