杉の家
-大空間の車庫とともに-
新築
木の家への想いが強かったクライアントはのリクエストは「車やバイクなどの機械いじりができる車庫があり、杉をふんだんに使った家」でした。
ご主人の要望を叶えるため、道路に面してカーポートを、その奥に大空間の車庫を配置しました。
車庫からはスムーズな動線処理でキッチンの勝手口へとつながるよう配慮。
車庫の広さを利用して上部はバルコニーに。
ダイニングの大きな窓とドアでつながるバルコニーは、屋内と一体感のある開放的なスペースになりました。
内装は床や天井に吉野さんの無垢の杉をぜいたくに使用。
建具やダイニングのベンチ、ユーティリティスペースの家具なども、全て杉を使ってオリジナルで造作し、壁の一部は珪藻土を左官塗りで仕上げています。
キッチンから家事室、洗面・脱衣室へは回遊性をもたせ、ダイニングや物干し場への家事動線も無駄のないよう工夫しました。
浴室には青森ヒバを使用しています。
無垢材を使っているので、本来構造体として隠れている柱や梁をあえて見せることで開放感と視覚性を高め、
木肌をメリハリのある空間づくりのポイントに生かしています。
Data
- 用途
- 住宅
- 所在地
- 和歌山県岩出市
- 業務概要
- 新築設計・監理
- 構造・規模
- 木造・2階建て
- 延床面積
- 228㎡
お客さまの声
「家を建てるなら設計事務所に依頼する」これが私の、家作りのスタートでした。
木を含め、素材、設備にこだわるのはもちろんですが、今だけではなくライフスタイルの変化も考慮に入れた設計をお願いしました。
※設計者より
この家は「木の家」である。すべてに、といっていいほど杉を使用している。
やはり木の家はあたたかい。抽象表現ではない。実際、素足で歩き、スリッパを履いて歩き、とすると良く分かる。
断然素足のほうがあたたかいのだ。
寒暖の感覚を抜きにしてもスリッパは、私と「木の家」との間に君臨するただの「邪魔者」になってしまう。
建築主のD氏は細部に至るあらゆる個所にこだわることを許してくれた。
が、そんな私のこざかしさより、自然の大地が育んだ「木」にはただただ脱帽である。
「手入れもまた楽しみです」というD氏の言葉を聞いて設計者の私の手から離れ、
これから先はD氏がこの家を見守っていくんだなと思うと、うれしくもあり少し寂しくもあった。
十年後、二十年後が本当に楽しみな家である。
Architect
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KIDA YOSHINOBU