タイトルにある和歌山弁護士会住宅紛争審査会の委員をしています。
和歌山弁護士会で弁護士と二人一組で住宅にまつわるトラブルの相談を受けます。
相談を受ける担当が私に回ってくる分だけで年に数件あります。
これとは別に、弁護士から個人的に建築紛争の相談を受けて一級建築士としてトラブルの現場を見に行ったり、意見書を書いたり、裁判所で調停に参加したりもします。
今、3件ほど現在進行形です。
被害に合われた方には申し訳ないですが、実際に現場で起きている様々なトラブルは私自身とても勉強になるのと、若いスタッフたちにも、こういう建築トラブルがあるんだよと伝えておきたくて、トラブルの現場や弁護士事務所に連れて行ったりもします。これ以上ない生きた教科書です。
なので弁護士からの協力依頼も自分にできる範囲であればできるだけ断らずに受けています。
そしてこれまた被害に合われた方には大変申し訳無いですが、昔から裁判ものというか、法廷ものの小説や映画が大好きなので、弁護士同士がやり合う文書を読んだり、そういう場に居られるのは私にとってとても興味深いのです。
私が、これこれこういう理由でこの工事はおかしい、と意見書を書くと、相手方より思わぬ方向からの反論が来たりします。それがまた頭の体操のようで楽しいのです。法律で争うということはこういうことかと。
で、なぜ改めてこういうことを書いているかというと、今回の弁護士会で受けた相談が、これはちょっとかわいそうだな、というトラブルだったからです。
揉め事の原因の多くは、言った言わないというもので、業者側が最初にきちんと説明していればこんなに揉めることはなかったのにというものと、粗雑な工事、もう少し丁寧に工事すればいいのに、というものです。
もちろん実際に欠陥工事や詐欺まがいの行為で多大な被害を受けている方も多くいるので誤解なきようお願いします。
今回の相談は、言った言わないでもないし、適当な説明、雑な工事をして信用をなくしているというわけでもなく、私から見るとなんの意味があるのかよくわかない工事をしてお金をもらっているという、一時よくニュースを賑やかせた、床下に意味のない金物が転がっているようなリフォーム詐欺みたいな相談でした。
これもだめになっているアレもだめになっている、早く入金してもらわないと材料がなくなる、あれをやったからこれだけ追加のお金がいる・・・。
未だにこんなことしてお金を稼ぐ人がいるんだという驚きます。
他人の悪意に触れると本当に世の中がイヤになります。
他人の悪意のある行為を目の当たりにすると、何ともいえない感情でとても体力が奪われます。
これを読んでくれている方、あれ? と思ったら一番上のリンク先で相談できます。国がちゃんと用意してくれています。今一度立ち止まってよく考えて下さい。