設計事務所に頼むということ

2023年現在、このページも日本全国いたるところからの閲覧があります。弊社のサイトの中で2番目の人気です。

ちなみに一番人気は設計料についてのページです。

いろいろなサイトでいろいろな方がいろいろなアプローチでこの事について書いておられるので、今更感も強いのですが、まず、知っておいて欲しい大切なことは、

設計事務所に依頼するということは、直接、建築士に依頼するということです。

ちなみに、「設計士」という言葉は法律上存在しませんのでご注意下さい。

原則、建築物の設計は建築士でなければ出来ません。
業務独占資格といいます。医療行為を行うには医師の資格が必要なのと同じことです。

ですので、ハウスメーカーに頼もうが、超大手スーパーゼネコンに頼もが、地元の工務店に頼もうが、設計は必ず建築士が行っています。ハウスメーカーで営業の方と話をしていても、設計は建築士が行います。

そして建築士が業務として(報酬をもらう)設計を行うには、
建築士事務所として登録していなければいけません。

○○ハウスも、○○住宅も、○○組も、○○建設も、自前で建築士事務所を持っているのがほとんどです。結局どうあがいても、建築士事務所の建築士が設計しているのです。法律で決まっているので当たり前です。

確認申請書にも、
設計者:(株)○○ハウス一級建築士事務所
工事施工者:(株)○○ハウス

なんていう風に書いています。
世間で言う、いわゆる設計事務所に頼むということは、

施工者との主従関係が存在しない、資本提携等のない、
設計・監理専業の建築士事務所(設計事務所)に頼むということを言います。

これを設計施工分離といいます。

公共建築物は基本的にこの方法で発注されます。設計を行った建築士事務所と資本提携等のあるゼネコンは工事の入札に参加できません。
入札に参加しなければ、設計を行うことが出来るのですが、それは今まで聞いたことがありません。

設計図があって、それにしたがって見積り、工事をする。これが世界共通です。
日本のように設計施工一括方式というのは世界的には珍しいのです。

ハウスメーカーなどでは、ハウスメーカーと建築主との間の契約のみですが、
建築士事務所に依頼すると、建築士事務所と建築主との間にまず設計業務の契約が結ばれます。

工事は別途工事業者と建築主との間で契約を結びます。

そのためか、メーカーだと設計料が要らないだとか、設計事務所に頼むと設計料が必要になるから高くなるという議論になるわけですが、

建物を建築するためには必ず誰かが設計を行っているので、

設計料がいらないということはその設計を行っている建築士が無給で働いているということになります。

当然そんなことはないので、見積書に設計料の項目はなくても、メーカーの建築士さんもどうにかしてお給料はもらっているはずです。

ただ、いくつかの決まったパターンがあってそれに沿って設計を行うのと、
1件ずつオリジナルの設計を行うのとでは、設計するのにかかる費用が違うのは当然です。

設計も施工も一括で同じ会社に依頼するか、設計と施工を分離してそれぞれ別に依頼するか、この違いが設計事務所に依頼する場合とそうでない場合の一番大きな特徴です。