事務所の床と柱に、メジャーを貼り付けたり10cmごとのラインをペイントしたりしています。
これは、打合せのときによりわかりやすく寸法感覚を共有するためです。
- 天井の高さってどれくらい?
- キッチンの吊り戸の高さは?
- 玄関の広さは?
- ロフトの天井の高さは?
- 物入れの奥行きは?
- 廊下の幅って?
- リビングのTVまでの距離は?
もちろん図面にも描いていますし、数字で言うのは簡単です。
でも大切なのは数字ではなく、実際どれくらいの空間なのかを知ってもらうことです。
せっかく丁寧に説明しているのにmm単位で言っちゃう人も多いのです。
私達は2730mmと言われても何の違和感もなくこの寸法が頭に入りますが、一般の人には分かりにくいものです。そこはやはり2メートル73センチと言ってあげたいといつも思っています。
小学生でも分かるように
私が常日頃気をつけていることです。
昔からの独特な業界用語が多く、またとかく難しく語りがちなこの世界ですが、
難しいことを難しく語るのは誰でもできることなので、
難しいことを簡単な言葉で説明できることが専門家の証であると思うのです。
私達の仕事は手にとってもらう商品があるわけではありません。
頭の中の構想を紙に描いてそれを大工さんたちに作ってもらうことです。
その紙も建物が完成さえしてしまえば、大げさにいうのなら用済みです
自分が今まで培ってきた知識、つまり自分が『知っていること』を他人に伝えるのが仕事なのです。
伝える手段は様々です。特に最近はVRなど他人に伝えるためにとても便利な道具が出来てきました。言葉もその手段の一つです。身振り手振りもその手段の一つでしょう。
できるだけ簡単にわかりやすく自分たちが知っていることを伝えたい。日々模索中です。