とあるご縁で西明石に建つお家の設計中です。
ご夫婦でSEというとても論理的で知的なお二人のお住まいです。
必要なものは必要。不要なものは不要。
当たり前のようでなかなかできません。
でもどっちつかずの曖昧なままの間取りが一番住みにくいはずです。
いるいらないを思い切って整理することでとても豊かな空間になります。
それは本当に必要なのか、よくよく考えると別に無くてもいいのではないか、
他にもっと大切なものがあるのではないか。
西明石のご夫婦はこの取捨選択がとても上手な方でした。
今までの日本の住宅の間取りを疑う時期に来ている気がします。
少なくとも20代、30代前半の人たちの住まいの間取りの考え方は10年前と大きく変わってきています。
ドラム乾燥機が当たり前で、花粉や黄砂などの影響もあるので外干しも無し。
であるならベランダも要らない。
庭で洗濯物を干さないから、お風呂や洗濯室はリビングよりも寝室に近いほうが便利。
リビングが1階ならお風呂などは2階に配置して1階をより豊かに。
掃除はルンバなどの自動掃除機が行うので、ルンバが自由に出入りするための空間が必要。
これからもリモートワークが続けられる会社に勤めているならそのための小部屋も必要。
なぜなら共働きなでお互いの声が入ってしまうから。
ちなみに、弊社でもリモートでご相談やお打合せが増えております。
私の場合、初めてお会いさせていただく方のとき、画面を通しての方がお互いリラックスしてお話できているような気がします。自分でも不思議ですが……。
また、住宅の持つ機能性についての意識も一昔前と比べて格段にレベルアップしています。
特に断熱性能を気にされる方が増えたような気がします。
それも、ただ単に暑くなく寒くなく、という抽象的なことだけではなく、断熱材の種類や工法などについて具体的な要望をいただくことも少なくありません。
大手ハウスメーカーではなくとも、Q値(熱損失係数)やUA値(外皮平均熱貫流率)、C値(相当隙間面積)などについて具体的な数値を提示する工務店も多くなってきました。
そして各ビルダーが出しているそれらの数値を比べて依頼先を選ぶ。
パソコンなどを買うようにその建物の持つスペックの数値でどれを買うか判断する、そんな時代です。
設計者でも年配の方にはもうついていけない方も多いのではないでしょうか。
今ほど住宅の住まい方が変わりつつあるのを感じたことはありません。
これからの日本の住宅がどう進化していくのかとても楽しみです。