日本の玄関ドアだけがなぜ外開きなのか

建物には必ず「隙間」ができます。
屋外で、その場で、たくさんの材料を使用して、複雑な形状の大きな箱をその場で作り上げていくのです。その隙間を減らす。大変なことです。ガンプラを作っていても隙間ができるのですから。
ロケットのように精密に管理されたクリーンセンターのような建物の中で作っているのでもありません。

昔の家は、隙間風なんて言葉もあるほどですから現代の家よりもっともっと寒かったのです。
現代の建物では省エネの観点からも建物の断熱性、気密性をどんどん高めています。
その方が、空調の効率が良いからです。空調の効率が良いとそのエネルギーを作り出すための装置、発電所などの負荷を小さくできるからです。そして地球に優しいとなるわけです。そんなことはおそらく地球にとっては大きなお世話なので、二酸化炭素の排出量が減って人類にとって優しい地球になります。
主語を小さくすると、私達の電気代が安くなるからです。

断熱性気密性のことをシンプルに書くと、より良い魔法瓶は冷めにくくて温まりにくいのと同じです。
隙間はあるよりない方が良いし、断熱性能は低いよりも高い方が良いではないか、ということです。
そういう観点でいうと、建物には窓なんてないのが一番断熱性がよく気密性が良いということになります。

日本家屋は大昔からお公家や武士の方たちが頑張っている時代から、開口部(窓)を広く取ってきました。
家は夏を旨とすべしというやつですね。

日本では「開口部」ありきで建物を計画するのです。開口部ではないところを壁にする考えです。
欧米では「壁」ありきで建物を計画します。基本的に360度壁にしたいが、窓も開けておくという考えです。建物に対する哲学が初めの一歩目から異なります。
欧米における建物は外敵から身を守るシェルターなのです。日本の防犯どころではありません。
文字通り命を守る砦です。
そして、自然は楽しむものではなく征服するものなのです。
欧米が昔から高気密高断熱に価値を置いてきたのも当たり前だと言えます。

高気密高断熱とは相反する考えなのに、日本では建物の内部にも自然を取り込みたがったり、
開口部は大きければ大きいほど良く、未だに引き違い窓やアルミサッシの窓を使います。

日本というかアジアと欧米それぞれの長い歴史の中で積み重ねられてきた自然への考え方はそうそう変わらないのではないでしょうか。
そこを踏まえた上で日本で日本人が使う建物を作っていかなければならないと思います。

世界で玄関ドアが外開きなのは日本だけと聞いたことがあります。
なぜだと思いますか? せっかくですので調べてみてください。
私はこれからは日本でも内開きの玄関ドアが増えてくるのではと思うときがあります。

そうならない日本を私は望みます。

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